ディープラーニングは、AIの訓練方法(=機械学習)のひとつです。従来のプログラミングとは異なる手法でAIの認識機能を向上させていきます。映像に映るものを理解したり、読み書きをしたり、簡単な会話をしたり、目新しいAI技術の大半はディープラーニングの賜物です。「深層学習」という言葉を用いることもあり、ディープラーニングと同義です。
従来であれば、何かを識別するにあたり、その特徴や分類方法に課題があり、どこに注目させ情報を集めるかといった部分は人間の力が必要でしたが、現在は、その部分で人間の力を必要とせずとも、コンピューター自らが特徴や分類までが可能になってきました。それが、近年の第3次AIブームを牽引するまでなった要因と言えるでしょう。
ディープラーニングの活用が行われている技術として主に「画像認識」「音声認識」「自然言語処理」が挙げられ、「情報検索(レコメンデーション)」といった分野においてもディープラーニングの技術が活用できます。
それぞれの技術がどのように利用されているのかは、以下の通りです。
画像や映像のデータをディープラーニングを活用して分析することで、それらに写っているものが何であるのか、どういった意味をもつのかを今や人間を超える精度で判別・分析することを可能にしています。
顔認証や指紋認証、画像からのテキストの抽出に活用されています。レジ無しコンビニAmazon Goでは、店内に設置された無数のカメラによる画像認識で来店者の行動を把握しています。従来の画像認識技術よりもはるかに高い精度で認識ができることが特徴です。
音声認識とは、音声から情報を読み取る技術のことを指します。昨今では一般的になったスマートフォンの音声認識やスマートスピーカーにおいてこの技術が使用されています。ディープラーニングの登場によって、ヒトが言葉を発する前に言葉の語尾を予測して処理するといったことが可能になり、認識機能の向上につながっています。
自然言語とは、人間が日常生活で使っている言語のことです。例えば、日本語や英語は自然言語です。
「自然言語」を「処理する」自然言語処理の分野はAIの研究分野としては、非常に大きなウエイトを占めています。例えば、Google検索や自動翻訳などの、普段使っている言葉に関わるアプリケーションは全て自然言語処理の技術が搭載されています。
この分野にも、ディープラーニング技術は大きなインパクトをもたらしました。例えば、SNSに投稿されたテキストの解析により、マーケティングや顧客心理の調査が可能となります。また、言語を使う全ての分野で応用可能性があり、様々な学術分野の他、ビジネスへの応用も非常に注目されている技術です。
情報検索・推薦においては、機械学習の技術によって顧客の行動を分析して、顧客の好みや需要に合った商品や情報を提供する「商品のおすすめ」機能として役立てられています。ディープラーニング を用いることにより、顧客や商品に対して、従来手法と比べて「深い」理解が可能になります。その結果、高い精度で顧客に商品をおすすめすることができるようになったという事例もいくつか報告されています。
AIがある予測を出したとき、どのように導いたのかを人間が解釈するのは難しいという問題があります。AIが設計通りに動くのであれば、その過程を隅々まで理解しなくても問題はないと感じるかもしれません。
しかし、2015年にGoogle Photosが黒人の画像をゴリラと誤認してしまい、大きな波紋を呼びました。AIの判断基準が人間にとって不明瞭であるが故、開発者が未然にこの事象を防ぐことは困難であったとことが想定されます。
これからますますAIが社会に実装されていく中で、想像もつかない倫理問題が浮上するかもしれません。
日本はAI後進国といわれています。
下の図は、2019年に開催された21個のAIの研究の国際学術会議の採択者の国籍を示したものです。日本の人口はアメリカの3分の1以上あることを考えると、1位のアメリカに10倍ほどの差を付けられている事実は無視できません。
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